Reiko 04/23/99
ベイエリアには、たくさんの公園やゴルフ場があり、そこの池などの水場には必ずといっていいほど、カモがいます。カモ達は毎日ひたすら楽しく遊んでみるようにも見えますが、子孫を残すという重大な目的の為に、いろいろ苦労をしています。ここに一年間かけて暖かい目で見守り、観察しつづけてきたカモの生態を発表しましょう。
グループ交際。それは、カップリング、そして子づくりの為の第一歩です。まず、かれらは公園などの大きな水場で気の合う仲間10羽くらいのグループをつくります。そして、お気に入りの小さな水場、たとえばアパートの噴水付きの池で住人がえさをくれるところ、 などに出かけ、楽しく遊びます。ここで、だんだんと狙いを定めていくようです。グループの人数はけして固定ではなく、メンバーの入れ替わりがある模様。グループの女性の人数が少ないとちょっと気を揉んでしまいます。ときどき、メスが一羽にオスが5羽などという日もあります。
2月末から3月に入ってから、でしょうか。水場はカップルだらけになります。気が付くとカップルで泳いだり、芝生の上で座ったりしています。もちろん、あぶれガモもいます。メスのあぶれガモはあまり見たこと無いですね。たいていはオスがあぶれています。メスのほうが少ないのでしょうか?しかし、どういうオスがあぶれてしまうのか、それはまだ分かっていません。最近、うちの前の池に、オス2匹のグループがよく出没。おとうさんになって暇になっちゃったのか、はたまた、、、?
ずっとどこに巣を作っているのかわからなかったのですが、この間ゴルフをしていたら卵をあたためているおかあさんを発見。木の陰の草むらにかくれて、枯れ木と枯れ草の上に羽毛を敷いた巣をつくり、そこにじーっと動かないでいます。羽毛の中にすっぽり収まってしまっているようです。えさはおとうさんが運んできてくれるのかな?だとしたら、いいかげんな人とカップルになってしまったら大変ですね。
しかし、あのおかあさんガモは無事に卵を孵すことができたんだろうか。なんといっても、グリーンのすぐ近くの草むらです。うまく木の陰に隠れているとはいえ、ボールが飛んでこないとは限りません。
そして誕生。ちいさくって持って帰りたいほどかわいいです。4月に入って暖かくなってから2ヶ月間くらいのあいだ、どんどん子供が増えていきます。一組のカップルから10羽以上生まれたりします。5月の終わりくらいは公園の池はカモだらけになります。
子供はずっとおかあさんに付いて回っているわけではなく、自由に泳ぎ回ります。結構なスピードです。小さいうちは狙われることも多いからおかあさんたちは気がきじゃありません。
ときどき、道路でおかあさんの後をよちよちついてまわる子供たちをみかけます。子供はまだ飛べないから歩いて水場間を移動します。
Duck街の中にはこんな交通標識もあります。ちょっといいでしょう?
子供の成長過程はあまり美しくありません。茶色の毛がうっすら、ぽやぽやとのびていて、ちょっとみすぼらしい感じです。はっきりいえば、どの子もみにくいあひるの子です。だから写真は載せません。4月の頭からさみだれ式に子供がどんどんうまれてくるので、いつでもうまれたてのかわいらしい赤ちゃんに注目が集まります。みにくいあひるのこになると、みんなにちやほやされることもなく、ちょっとかわいそうです。この時期でもオスかメスか、模様の区別がないのでわかりません。
みにくいあひるのこは普通の羽が生えてきて、ただのカモになります。またグループ交際、カップリングを経て、このカモ達からかわいい子供たちがうまれてくるのは次の春です。
でも、毎年毎年たくさんの子供たちが生まれるのに、池がカモだらけにならないようです。きっと、成長する途中でいろいろな難関があり、そこをくぐりぬけられないカモたちもいるってことなんでしょうね。