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魅惑のクラリネット

.Reiko 3/10/99

 私がクラリネットを手にしたのは、実は、意外に昔で、小学校のマーチングバンドに参加したのがきっかけでした。しかし、長続きせず。その後バレーボール部が良くなってしまったのが一番の原因だったかな。それで手元にプラスチック管のYAMAHAのクラリネットが残ったわけですが、長い間それは忘れ去られていました。そして8年後、大学の新歓の催しで聞いたクラリネットの音が私の心を捉えました。ルロイ・アンダーソンの「タイプライター」って曲、ご存知でしょうか?軽快にタイプライターを打つ音を音楽で表現した曲です。なんとなく、想像付きますか?そう、その時のクラリネットが軽快でかわいくてとても魅惑的だったんです。クラリネットがこんなに魅惑的な音をだすなんて、はっきりいってその時はじめて知ったようなものです。これが、私にとっては本当のクラリネットとのおつきあいの始まりになります。サークルに入ったものの、最初は吹けなくて、あんなに魅惑的な音になるのには何年かかるのやら、と迷う日々でしたが、ついにはアメリカに来てまで市民バンドにはいる始末。
 どうして私がクラリネットを吹きつづけているのか、それは、いまでもあの魅惑的な音を出したいなあって思っているからかもしれません。やりつづけているうちに、いろんな魅惑的なものにも出会いました。気持ちよく音がそろった瞬間。震えが来るほどのハーモニー。そういうものって私のレベルではなかなか味わえないんですけどね。まだまだ、は楽しいです。
 でも、続けていて本当に良かったなあと思ってます。アメリカという外国に来てさえも、楽器一つ持って行けば、仲間ができ、音楽を作ることができます。たとえ言葉があんまり分からなくてもね。「音楽は世界共通の言葉」って、陳腐に聞こえるかもしれませんが、事実です。

ちょっと困ったこと - 音階 -

 私は、アメリカのバンドに入ることができました。楽譜も一緒だし、日本で入っていたバンドとやることはそうそう変わらないからです。しかし、違うものがありました。それは、「音階の読み方」です。ここでは「ABC(エー ビー シー)」で読むんです。
 ここから先は楽典を勉強していない私には、本当はうまく説明できないのですが、ちょっと困っている状況を説明してみます。
 普通「Do Re Mi(ドレミ)」で最初に習いますよね。しかし、小中学校音楽のピアノと歌の世界ではそれもよかったのでしょうが、吹奏楽なんかを始めると各楽器の基音が異なります。フルートの基音「ド」はクラリネットの「レ」になるんです。ですから、実音階(Concert Key)を使うのが普通です。私は大学サークルで先輩から教わりました。これにはアルファベットを使いますが、日本ではドイツ語読みをします。ピアノが基準ですからピアノで説明します。

「ド」 → 「C (ツェー)」
「レ」 → 「D (デー)」
「ミ」 → 「E (エー)」

これは最初は慣れませんでしたが、いまでは体になじんでいます。まあ、これが単純に英語読みになるくらいだったら別に問題はなかったんですけど...

どうやら、アメリカ人は音楽の時間日本人の「Do Re Mi(ドレミ)」にあたるものを「CDE(シーディーイー)」として習うようです。で、実は私の現在所属しているコミュニティーバンドではこれを使っているんです。どうなるかというと、

日本でみんなが習う アメリカでみんなが習う クラリネット(Bb管)の実音階
C (シー) B(ベー)
D(ディー) C(ツェー)
E(イー) D(デー)
  バンドで使っている 私が慣れている(括弧内はドイツ語読み)

指揮者の先生は、なんと、楽器毎に音の指示をしています。クラリネット仲間もこれを使います。最初は本当になにがなんだか分からなかったですね。今でも混乱することが多々あります。大学のときは実音すぐ覚えたのに。年を取ったということでしょうか??私が実音に慣れているのが余計混乱した原因である気もしますが。

もちろん、バンド仲間でも、実音階を知っている人はこれを不便に思っているらしく、時々 "Give me just a concert key!" って叫んでますけどね。私が困っていると、先生は「ドレミ」で指示してくれます。私も内心"Give me just a concert key!"なんですけどね。

びっくりしたこと - 唾掃除 -

 「汚い!」と思われる方は読まないでください。でも、管楽器吹きにには日常のことなんです。

 さて、こちらのバンドに入って驚いたことがあります。曲の間にスワブで唾掃除をしている人が見当たりません。2時間ほとんど吹きっぱなしです。日本でやっていたときは、大変な人になると暇があれば唾掃除をしている人も見掛けたのに。
 最初は、カルフォルニアの乾燥した気候のせいかな、とも思いました。たしかに、私も掃除の回数は減りました。でも、やっぱり、脇に溜まっちゃってビービー鳴っちゃったりします。最近ベートーベンなんか吹いているものだから、タンギングの嵐で、けっこうその頻度が上がっています。でも、周りのみんなはそんなそぶりもなく吹きつづけています。アメリカ人はひょっとして唾液が少ないのかもしれません。それとも吹き方が全然違うのかなあ。


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