Napaの旅の行程

Reiko 2/3/2000

<疑問の一日目>

1)SanJose空港からNapaに向かう

 SanJose空港で結局11時ごろに友人をピックアップ。雨だ。昨日まではよく晴れていたのに。向こうでは晴れてるといいけど、といいながらNapaに向かう。予約もばっちり。天気さえ良ければ私の理想のNapa旅行になるはずだった。でも、Napaについても、やっぱり雨だった。

2)山の上の美術館〜Hess

 予定外で訪れたHessは、Napaのちょっと手前の方で、はずれたところにある山の上のワイナリ。美術コレクションでも有名。いきなりショップで売ってるワインチェック。いきなり90年、89年くらいの100ドル以上するワインに、一人が真剣に悩み始める。でも、結局、初回から大物(?)は買わずにペンディング。

3)え、試飲しないの?〜Opus-One、R.MondaviそしてOverture

 次は、彼女たちの行きたがっていたOpusとMondaviに行く。シーズンオフで雨のためこの二つの超人気ワイナリも訪れる人は少ない。ここでも年代をチェックした上で購入、試飲はなし。理由はやっぱりヴィンテージ。あと、いくらなんでもOpusの試飲$25は高かったみたい。 そうそう、Opusのワイナリで彼女たちが買いたくて買えないものがあった。それが"Overture"Opusが今年実験的に出したセカンドブランド。全く同じ行程で作って、Opusの味が出なかったものをセカンドとして出したと聞いている。値段は約4分の1、$30。それを話したら、すごくびっくりしていた。プランスのセカンドラベルの作り方は全然違うのだそうだ。でも、これは、NapaでもOpusだけがやっている方法だと思うけど。Opusで聞いたら、残念ながら発売後2ヶ月で完売。ワイナリでしか売っていなかったものだったらしい。ケース数も数百と少なかった。秋にOvertureを飲んだ時、香りはOpusそのもの、でも、味はOpusほどバランスが良くなかった、という印象がある。なんというか、酸味が強かったような。

4)やっと気に入ってくれたみたい〜Heiz

 私のお気に入り、Heizのセラーは小さい。ここのテイスティングは前の3つと違って無料。ナンバリングしてあるカベルネのビンテージもの94年のかな?に一人が注目。飲み頃についておじさんに質問する。「5年。」おじさんは言い切った。答えを聞いた彼女は、買うのは諦めた。でも、どこかその答えに満足したみたいだ。普段飲んでいるHeizも飲めるけど2,3年は寝かせた方がいいよとおじさんが言っていた気がする。とあるワインやさんによれば、Heizはとてもトラディショナルなスタイルのワイナリーだそう。この「5年」がそれを物語っているのかしら?

5)幻のワインを見つける〜Tra Vigne

 トラビニエは混んでいた。店内は天井が高く、感じが良くて、気分が落ち着く。意外にリーズナブルなので安心した。料理が来るのを待ってる間、友人達の目がバーの後ろの棚に釘付けになった。「mayaがあるよ。」なんでも、有名なレアモノのワインだそう。棚の一番上に飾ってあった。たぶん、売る気はないんだろうなあ。

6)St.Helenaのワイン屋さん〜St.Helena Wine Center

 St.HelenaのDownTownにあるワインショップへ。ここは、いわゆる年代ものの高いワインが奥のセラーに並べてあって、結構いいワインやさん。実際、年代モノもあった。レアモノもあった。年代モノの中では、捜しているのがなく、Mayaを含むレアモノはセット売りだった。いろいろ珍しいのが5本くらい入ったセットで、$1000以上したと思う。結局、ここでは夜用のワインを一本購入。本日購入する初めてのワインだ。今日行けなかったBeringerのKingsValleyのテーブルワイン(1996)$27.xx。メルロー主体のカベルネとのブレンドのもので、以前飲んだ時は結構おいしかった。店長も結構おしゃべりをしてくれる。日本から来たといったら日本の女性誌ドマーニを出して来て、自分が載ってるんだよ、と見せてくれた。その後、店長オススメのおいしいチーズを売っているというすぐ近くのデリで夕飯を購入。

7)暖炉を囲んでお部屋でワインパーティー〜Harvest Inn〜

 この夜泊まったのは憧れのHarvest Inn。広い敷地の中に、4,6部屋ずつゲストルームが入っているコテージ風の建物がいくつも建っていて、庭も綺麗に手入れしてあり、奥は広い葡萄畑に面している。私たちの部屋は暖炉付きのスゥートルームで広くて綺麗でなんだか落ち着いた。小さなパティオには椅子とテーブルも置いてあり、葡萄畑に面しているので眺めはいいはずだ。雨さえ上がれば。
 それから、明日の計画をゆっくり確認した後、雨の中ジャグジーに入ってみたりして時間をつぶし、おなかを空かせた。
 暖炉に火を入れる。テーブルのセットはピクニック用に持ってきたナプキンやお皿などで間に合わせる。ワイングラスは部屋についていた。買ってきたパンやターキーブレスト、デリのサラダなどを並べ、ワインを開けた。

8)おまけ〜ツマミに目覚める

 ワインはおいしかった。でも、それよりも彼女たちが気に入ったようなのはおつまみに買ったおやつ人参とトレイルミックス。人参、ナッツは赤ワインに良く合う。特にアメリカの甘い人参はチェイサー代わりにぽりぽりたべてしまう。今晩も気がつくと無くなる勢い。正直いって、あれほど気に入るとは驚いた。

トレイルミックス: 数種類のナッツとドライフルーツがミックスされたもので、短時間に高カロリーのエネルギーとビタミンを補給できるので山歩きをする時ポケットに良く入れていく奴だ。スーパーで量り売りをしている。
おやつ人参: 小さくまるくカットされて袋に入っている人参。パーティーのお供に、子供のおやつによく使われる。アメリカの人参は細くて甘い。スティックで食べるのに最適。

<二日目>

 雨はさらにひどかった。HervestInnの朝食は結構おいしかった。

1)Duminus発見〜Grozinger Wine Company

 念のために早く出たら、ものすごく時間が余ってしまったので、とりあえず、Yountvillのワインやさん,グロジンジャカンパニーに寄ってみる。いきなり一人の探していたDominus発見。しかし、96年もの($100)であったため、購入はなし。このワイン屋さんも意外にいろいろ揃っているようだ。

2)雰囲気に飲まれて買い過ぎ〜Etude

 大本命というEtudeに行く。なんの飾り気も無い、でも、清潔な感じを受けるワイナリーだった。少し早い時間についたが、すでにテイスティングルームにはワインと私たち3人分のグラスが並べられていた。結構緊張する。飲ませてもらったワインは白2種類ピノグリ、ピノブランと赤3種類ピノノワール、カベルネソーヴィニョン。白はりょうほうともすごくおいしかった。日本で話題というのEtudeのピノノワールはCarnerosの葡萄を使っていたが、良く飲むのとはだいぶ雰囲気が違って、だいぶ、ボディがあった。(これ、変な表現だけど、そうなの)カベルネはさすがの味。どういうスタイルを目指しているのか聞いたら、非常に凝縮されたワイン、という答えが返ってきた。ここを目指してきたということで舞い上がっていたのか、二人ともすごく買った。3本?7本??私もつられてピノノワールとカベルネを購入。

3)Napaはシチリア〜St.Helena Wine Merchants

Etudeにかけていた一人は満足満足、もう一人はこれから買うぞという状態でSt.Helenaの別のワインショップに行く。意外に広い店内にびっくり。種類も豊富だった。お店のおじさんに置いてあるワインの飲み頃について聞いたところ、「どれも今飲めるよ。」との答え。「もちろん、ホールドしておいた方がおいしくなるけどね。でも、上手に保存しないといけないから。この辺はフランスと違って気候的にはシチリアなんかと一緒なんだ。その分熟成も早い。だから、2年前や3年前に収穫した葡萄で作ったワインが今飲めるんだよ。」

3)え??シュバルブランとおんなじ味?/Harvens〜St.Helena Wine Merchants

他に客もなく、お店の人がぴったりついて対応してくれる。ポムロールスタイルが好きといったら、オススメのメルローをかたっぱしから紹介。良く喋るおにいさんだった。最後にこれは、ロバート・パーカーがNapaの作り出したシュバルブランと言ったというワインを紹介してくれた。$20代だ。いかにも疑わしいが、だまされたつもりで一人が購入することに。「ロバート・パーカーの言った事はすべて正しいんだよ。」とおにいさんは言った。「本当におんなじ味だった?」と聞くと、「おなじような味だった。」とちょっと弱腰になっていた。

4)古樹の価値/Sausal〜St.Helena Wine Merchants

 さらにここでカルフォルニア特有種ジンファンデルの逸品も探す。既に買いたいものをListアップしてくれているにも関わらず、おにいさんは紹介しつづける。ありがたいことだ。ListにあったSausalというSonomaのワインを3種類発見。リザーブのラベルが2種類あったのに注目。聞けば、ちょっと高い方($25前後)は100年の古い樹から作ったとの事。これも購入。後日これを開けてくれたが、すごくおいしかった。ジンファンデルらしい味で、香りもよく、しっかりとしたボディだった。それから、他のもいくつか。買い過ぎじゃないの?どうも昨日とは雰囲気が違う。ここでも、Dominus発見。95年モノで木箱入り($200)。購入せず。

5)ロバート・パーカーの御威光〜Taylor's Refresher

 もうお昼過ぎだ。どうしてこんなに時間が経ってしまったんだろう?軽くお昼を食べる事に。St.Helenaのダウンタウンに行こうと思って、ついついちょっと手前のハンバーガースタンドが気になって、そこでお昼を取る事に。屋外とは言え、いちおう屋根の下のテーブルで食べられるようになっている。意外にお客さんが多い。私はチキンブレストサンド、彼女たちはハンバーガー。よく見るとロバート・パーカーがこの店の料理を”Most Memorable Meal"と言ったという記事のコピーが張ってあった。本当?と疑問が湧く前に、Napaではなんでもロバート・パーカーなのねー、と少々あきれた。味はすごくおいしかった。

6)看板ネコ〜Mt.Eden

 Heizのほかにもう一つ私がつい寄ってしまうワイナリがある。Mt.Eden。ここは無料で数種類のワインをテイスティングさせてくる。この時期だけに残念ながらお気に入りのカベルネは無く、あまりおいしいものは置いていなかった。また春に来ないと。看板ネコのトラ2匹と遊んで次の目的地に向かった。

7)山の上の素敵なワイナリ〜Vine Cliff

 私の憧れ、VineCliffの予約は2時からだったが、少し早目に入る。山の途中にワイナリがあり、建物自体は素朴だった。迎えてくれたのはPatというとってもフレンドリーなゴールディー・ホーン系(木の実ナナ系ともいう)のお姉さん。テイスティングは建物の片隅の事務テーブルの上で。惜しげも無くニューボトルを開けてくれる。テイスティングはシャルドネ、シャルドネのリザーブ、メルローの3種。シャルドネは93ポイントを獲得した話題のモノだ。リザーブが実は90ポイント。どちらもおいしかったが、私は普通のシャルドネが口当たりが良く甘目だったので気に入った。もちろん、メルローはものすごくおいしい。カベルネが売り切れだったのはとても残念だった。テイスティングの間に、ワイナリの歴史を教えてくれたり、建物の中をすこし見せてくれた。晴れてたら、丘の上からの眺めを見せてあげたいと言っていた。とてもすばらしいものなのだろうと想像がついた。ラベルになっているのは山の上にあるオーナーのお城みたいな豪邸。マウイにも高級リゾートホテルを持っている大金持だそうだ。マウイに行けば確実にVineCliffが飲めるらしい。メルローは家にストックがたくさんあるのでシャルドネを購入。友人もシャルドネ購入。絶対春にまた来よう。

8)年代ものだからっておいしいわけじゃないんだよ〜Rovert Sinsky Vineyard

 3時前。時間があるので途中にあったロバート・シンスキーによる。メインストリートにあってもおかしくないような洒落たつくりの建物だった。ロゴ入りグッズもたくさん置いてあった。テイスティングは有料。$9でなんと89年モノを含むリザーブを飲ませてくれるというので、トライ。でも、これはイマイチだった。

9)人生はカベルネだ〜Silver Oak

 次はSilverOak。"Life is a Carbernet."がモットー。知らなかったけど、ここはカベルネ・ソーヴィニョン専門にやっているワイナリーで、収穫から5年しないとリリースしないというポリシーでやっているところで、実はとてもおいしいと評判のワインをつくっていた。でもテイスティング($5)できたのは97年モノ。理由はもう95年はテイスティングさせるほど在庫が無く、売っている95年モノも、その週の金曜日には残りはライブラリ行きになるからだという。味見をした97年でも十分おいしくて、とても、香りが良くまろやかだった。購入できる95年モノはどんなにおいしいか・・・。$55もしなければ私も一本買っていたのに。もちろん、友人はご購入。たぶん、97年を飲ませたからだと思うけど、普通一個$15で売っているロゴ入りグラスを2個もくれた。らっきー。

 せっかくだからCarnerosらしいピノノワールでも飲みに行こうかと思ったが、これ以上飲めないと判断し、帰路につく。すでに夕べの残りの人参は底をついていた。ずっと雨だった。でもいろんな人と出会った。なんだかおしゃべりがすごく楽しかった。ワインについて勉強したくなった。

<おまけ>

1)おーっといきなり80年代のOpus発見〜Union Street

UnionStreetのリカーショップにいきなり80年代のOpusがあった。$195。NapaのSt.Helenaで見た90年代前半のOpusより全然安い。こんなこともあるんだ。でも、ちょっと傷だらけで、ショップのおじさんもあんまり詳しくなさそうだったので購入せず。その他けっこう古いのが妥当な値段で置いてあった。ひょっとしたら本当に掘り出し物だったかもしれない。

2)感動のご対面Dominus'91〜Beltramo's, Menlo Park

せっかくだからもう1軒、と寄ったのが私が最近教えてもらったMenloPark(近所)のワインショップ。ここはインポート物を中心に高級なワインの品揃えが結構すごいショップ。シリコンバレーの中では1,2をあらそうかもしれない。ここでいきなり、一人がずっと探していたDominusをセラーのリストに見つけた。しかも91年もの。$150+。購入したいというと、おじさんが棚に並んでいる96年ものを見せた上で、セラーを開け、丁寧に、大事そうに、91年ものを出してくれた。この店でも3本しか持っていないうちの1本だ。おじさんの様子で、この店、良いお店かもしれないなあ、と感じだ。友人、ご購入。何故かフレンチワインのレアモノまで。一気に舞い上がり状態。この夜はNapaで買ったSausalのジンファンデルを開けてくれた。ジンファンデルを見直したよ。家でちょっとキャンドルディナーはなんだかとても雰囲気がよかった。

あとがき〜1994 Hess Collectionに寄せて

いやはや、ワインにフォーカスした4日間だった。仕上げは(?)家にあったHessのリザーブ94年もの。明日は帰るという夜、夜中の2時ごろから飲み始めた。色、すごくきれいな深い紫。香り、そんなに悪くない。味・・・?あれ?変な酸味がある。高いのに。この間買ったばかりだし、保存に問題とかそういう理由じゃないだろう。まあ、最後の最後に疑問を残してくれた。最初に寄ったHessで見つけた$100以上する年代ものははたしておいしいのだろうか?古いからっておいしいわけじゃないかもしれない。


Go Back to Travel in Napa